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上告趣意書(本人)12

  (7)石ころ河原は存在したか

 原判決は

図面に書かれている場所と佐藤の死体が遺棄されていた場所とが、一見して同一場所であることが明らかなほどよく似ている上、この図面に書かれている石ころ河原で当時長谷積がブルドーザーを入れ、採石事業をしていた事実も確認された」<36丁>という。

 被告人がドライブ途中で立ち寄った場所として書いた略図と、本件変死体発見場所の現況が似ているのか似ていないのかという問題はきわめて主観的な判断領域なので反論しにくい。しかし、右判示の後段部分は明らかに虚偽である。

 図面を最も特徴付けている「石ころ河原」は、この遺棄場所には存在しないことが実況見分調書<甲113>から明らかである。また、現実にこの場所を見知ったものが説明するとしたら、絶対に書き落とすはずの無い特徴である「採石場」がこの図面には記入されていない。

 当時、長谷積がブルドーザーを入れて採石事業を行っていた場所は、小川の東側の丘を切り崩して24×60メートルの平地を作っていたところである。図面に「石ころ河原」と表示された、小川の西側ではないのだ。

 図面上で石ころ河原と表現されて丸印で囲ってある位置を、遺棄現場に無理に当てはめてみれば、柚須林道から採石場までの2本の取り付け道路の部分に該当する。そしてこの部分について

は山下登証人は

「建設現場用の道という感じでした」「残土、採石したものの搬出用の道のようでした」「上等の道ではありませんでしたが、車では入ろうと思えば入れないわけではありませんでした」<原審の尋問調書>と説明し、大塚保美証人は

「ここはいわゆる道路から出た自然の石が露出していたと思います」「採石場と思われる状態ではなく、雨とか、あるいは水が流れて自然の石が幾分露出している状態です」<尋問調書2647丁>と説明している。

 この状況の工事用取り付け道路を石ころ河原と混同する余地は無い。なお、「石ころ」とは小石や砂利を称して言うのだから、本件現場のごとき、直径1メーター以上もある岩石がいくつか点在している場所を石ころ河原と呼べないことは当然である。

 以上、本件現場には図面で描かれているような石ころ河原は存在せず、従って、石ころ河原にブルドーザーを入れて採石事業をしていた事実が確認されるはずは無いことは言うまでも無い。原判決は客観的事実に反する事実認定を行っている。

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