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上告趣意書(本人)16

第六 刑訴法第318条(自由心証主義)は憲法第31条(法定手続きの保証)に違反する

 1.裁判官が被告人にとって有利な証拠にはすべて目を塞ぎ、不利な証拠だけを拾い集めて犯行シナリオを構築するようなことがあれば刑事裁判の原則にもとる。また、客観的な証拠によらずに偏見と悪意を基にして物事を被告人に不利に解釈しようとすれば、被告人のなんでもない日常行動ですら、真犯人の状況証拠であると、いくらでもこじつけることが出来てしまう。刑事訴訟法318条が証拠の証明力について、このように勝手気ままな裁判官の心証形成を許しているのであれば、これは法の定める手続きによらずに刑罰を科すことに該当するのであって、絶対に許されない。

  2.本事案において裁判官が勝手な証拠解釈を行った事例は数多くあるが、すでに一審の最終意見陳述や控訴趣意書、上申書等で縷々、主張して来ているので、ここではそれらの内のいくつかを列挙するにとどめる。いずれも客観的事実に反するか、あるいは証拠によらぬ憶測、証拠を歪曲した解釈である。仮にも一人を処罰する結果となるのに、裁判官がこのように勝手な証拠解釈をなし得るとは驚かざるを得ない。

  (11)7月末の金銭支出の原資について

 原判決は

「(7月末における被告人の)かかる金銭支出の原資としては佐藤の財産しか考えられない」<56丁>と判示する。しかしながら、この判示の根拠としては「銀行取引停止処分を受けながら、その後新たに収入源が見つかった形跡もない」<55丁>ことを挙げるのみである。

 前述したように、銀行取引は被告人が資金繰りに窮したことによって起こったのではないので、停止処分があったからとて被告人が金に困っていたこととは結びつかない。不渡りを出した以上は金に困っていたに違いないという誤った思い込みを基にして、勝手な憶測をしている。

 被告人の7月末の資金繰りが如何に妥当なものであるかについては、原審提出の上申書に詳述している通りである。

 昭和544月から同557月までの月平均で、被告人の銀行口座を経由する入出金がそれぞれ約800万円になることは証拠を明示して論じた通り<上申書49頁>。従って、仮に被告人が7月末に3百数十万円の支出を行ったにせよ、これは全く通常通りの行動であって、(あぶく銭の散財といった)特に奇異なものではない。

 被告人の支出の原資が佐藤の財産だとする証拠は皆無である。原判決は証拠に基づかず、勝手な憶測を行っている。

 

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